海外在住者の方、海外財務の担当者の方へ、銀行を使った海外送金は辞めましょう。高い銀行 手数料に不利な為替レートでなどの送金ロスにより、海外の口座にお金が届いても思った以上にお金が少なく頭を抱えることがあったと思います。
この記事に興味をもってくださった方であれば、「無駄な手数料はいらない、ホントの為替レートを使いたい、送金のシュミレーションがしたい」とお考えではないでしょうか。
結果からお伝えると海外の口座に送金するには「Wise」がいいです。
銀行の手数料・為替レートに上乗せなしで、本当の為替レートを使って格安送金されるので出金先の口座にそのままのお金が届きます。
送金をシュミレートすると「あらやだ、こんなにも無駄だったの?」と思っちゃいます。
Wise とは
Wise(ワイズ、旧称:TransferWise)は銀行よりも低コストで海外送金できるサービスで 180カ国、50通貨を送金/着金することができます。
特徴は「Google で表示されている為替レート (ミッドマーケットレート) を使用している」「銀行を使わないため、余分な追加手数料がない」ため、銀行の最大 8分の 1の手数料で海外送金を可能にしています。。
Wise には海外送金サービス以外に海外口座を持つことができ、資金の移動、支払い、決済ができるマルチカレンシー口座とデビットカードがあります。
Wise はロンドンに拠点を置き、15カ国のライセンスおよび公的認可を受けています。
日本では 2015年 8月に日本の関東財務局から資金移動業者として免許登録 (第00040号) されているため、日本国内で正式な機関としてサービス提供・保証されています。
送金の仕組み
通常の銀行で海外送金を行う場合は、SWIFT (スイフト) と呼ばれる国際銀行ネットワークを利用しています。そのため、送金 手数料 / 円貨送金 手数料 / 中継銀行 手数料 / 受取銀行 手数料 など多く高額な金額になっています。
Wise では、国際銀行ネットワークを使わずに Wise 同士で送金/受取を行っているため、無駄な手数料を抑え、送金にかかる時間を短縮しています。
実際は Wise ジャパンから Wise アメリカに直接送金されておらず、その国の Wise ユーザー間 (P2P) で取引された円とドルの金額を移動しているだけです。そのため、手数料が余分な手数料が増えず、低い為替レートで海外送金をすることができています。
また、Google で表示される為替レート (ミッドマーケットレート) を使用しているため、通常より多くの資金を送金/受取ることができます。
Wise のサービス
Wise では次のサービスを利用することができます。
アカウント作成及びサービスは無料で利用することができます。
個人/法人アカウント
アカウントは個人または法人で作成することができます。法人アカウントでは請求書 / 給与の支払い、海外口座の取得、個人アカウントよりも低価格な手数料、法人カードなどビジネス向きのアカウントです。
マルチカレンシー口座
各国の口座/通貨を Wise アカウントで作成・管理できるサービスです。
作成した口座にはルーティングナンバー/銀行コードなどがあるため、実施の銀行口座と同じように扱えます。
海外送金サービス
世界 180ヵ国、50 通貨以上をオンラインで海外送金できるサービスです。
余分な追加手数料がなく、Google で表示された実際の為替レートをしており、銀行の最大 7倍安い送金を行えます。
Wise デビットカード
マルチカレンシー口座で現地通貨で支払いできるカードです。
カード支払い時は海外送金と同じで本当の為替レートを使用しており、上乗せ/追加コストがありません。また ATMから出金することも可能です。
Wise での手数料
アカウント開設および維持に関しては無料になっています。維持手数料がないため、口座に資金がなくてもアカウントや口座を取り消されることはありません。
Wise で手数料が発生するのは次のタイミングになります。
アカウント./口座に関して | 開設 | アカウントおよび口座の作成は無料でできる 口座を開設時に一定金額をチャージする必要ある |
保持 | 最低維持費/条件がなく、口座に資金がなくても維持できる | |
両替 | 送金手数料は発生せず、為替レートで両替できる ただし、少額の場合は若干の手数料が発生する | |
送金に関して | 送金 | 送金手数料は 0.41 % から 同通貨で Wise 同士なら無料で送金できる |
為替レート | 上乗せなしのミッドマーケットレートを使用できる | |
デビットカードに関して | 支払い | 対象通貨を保有している場合、手数料なしで決済できる 残高に資金がない通貨で決済した場合、両替手数料が発生する |
メリット・デメリット
メリット
コストが安い
隠れコストが無いなくのでどこよりも安いコストで送金ができます。
オンラインで送金ができる
送金手続きはオンライン上で完結するので銀行に赴く必要はありません。また、24時間いつでも海外送金ができるので銀行の時間に合わせる必要がありません。
居住国の口座に資金移動ができる
Wise のマルチカレンシー口座を利用すれば海外送金をすることなく、資金を別の外貨口座に移動することができます。
デメリット
特定の国は出金できない
日本から海外に送金することは可能ですが特定の国から海外に送金することができません。これはその国の法律上 送金することが難しいためです。
例えば、日本からベトナムは可能ですが、ベトナムから海外に送金することができません
銀行ではないこと
Wise の事業形態は資金移動業者で銀行ではありません。そのため、一度の送金金額が 100万円以下となっており、多額の送金が行うことができません。
提携企業が少ない
Wise のパートナー企業が非常に少ないため、分析や管理ツールなどのサードパーティ製ツールや割引制度が少ないことです。越境ECの拡大や外貨受取手数料の削減を目的の場合はパートナー制度が整っている Payoneer を利用してもいいともいます。
口座の開設費・維持費
各外貨口座 を開設費は、開設する際に 20 GBP 相当を事前に口座に入金しなければなりません。口座開設後は入金した 20 GBPはそのまま使用できます。
また、口座の維持費は発生しません。
利用シーン
銀行と同じ海外送金なので従来の目的で利用できます。
- 海外に住む家族への仕送り
- 海外の長期赴任
- 複数国での移動活動
- 留学費用の支払い
- 海外移住の費用
- 海外企業との取引
- 資金の移動
- 海外オンラインショップでの支払い
- 外貨報酬の受け取り など
また、海外や外資で活躍している方は Wise アカウントを持っておいて損はありません。
- 海外の報酬を得ている方
- 海外でフリーランスしている方
- 複数の国を跨って活躍している方
- 海外サービスで外貨口座を利用している方 など
銀行での送金の違い
Wise と銀行からの海外送金の違いは「隠れた手数料」にあります。
一般的には銀行の海外送金には 為替レートのスプレッド(差額)、中間マージンの手数料が発生しており、海外送金 手数料が高額になります
分かりやすい例だと、
Google やロイターの為替レートでは「1ドル = 109.385 円」に対し、銀行の為替レートが「1ドル = 110.321 円」とレートが異なっているのをご存知だと思います。この差額が銀行の為替手数料 = 隠れた手数料 です。
また、通常の銀行を通した国際送金はSWIFTと呼ばれる仕組みを利用しているため、送金 手数料 / 円貨送金 手数料 / 海外中継銀行 手数料 / 受取銀行 手数料 などもあります。隠れた手数料 以外にもコストが発生しているということです。この仕組はコストがかかり、送金に長い時間がかかってしまいます。
※銀行によって手数料や名称が異なります。
Wise では 隠れて手数料を行っておらず、ミッドマーケットレート(市場の中間レート)を採用しています。2つの通貨間の実際の為替レートなので本当の為替レートとして扱われています。
また、Wiseは送金人が自国にあるWise の口座にお金を振り込み、その金額をWiseが受取人の国の口座へと振り込む、国内送金を生かした仕組みになっています。複数の手数料はなく 必要最低限だけになっています。
送金シュミレートの比較
Wise、楽天銀行、三井住友銀行での海外送金にかかる手数料と残高をシミュレートしました。
日本の口座にある 10万円を USD に両替をして米国の口座へ振り込みするというシナリオです。
Wise | 楽天銀行 | 三井住友銀行 | |
---|---|---|---|
USD→JPY 為替レート | 109.425 円 | 110.361 円 | 109.972 円 |
送金手数料 | なし | 750 円 | 1,500 円 |
円貨送金 手数料 | なし | なし | 送金金額の 0.05% |
海外中継銀行 手数料 | 758 円 | 1,000 円 | 2,500 円 |
受取銀行 手数料 | なし | なし | 1,500円 |
合計 手数料 | 758 円 | 1,750円 | 6,000 円 |
出金口座の残高 | 906.94 USD | 890.26 USD | 854.76 USD |
着金までの所要日数 | 当日を含む 1 〜 2 営業日 | 翌日から1~3 営業日 | 翌日から3 ~ 4 営業日 |
※ シュミレーションとのため、実際の金額とは異なります。
楽天銀行と三井住友銀行は複数の中間手数料が発生し高額になりましたが、Wise は中継銀行を使わず自社内で通過できるため、最低限の手数料 1回です。USD から JPY への為替レートは本当の為替レートを特徴にしている Wise が最も良い為替レートになっています。
Wise と三井住友銀行では支払う手数料 5,242 円、口座の残高 52.18 USD の差額になります。銀行からWise での海外送金すると約 6 %の余分なコストを削減できることになりました。
類似サービスの「Payoweer」があります。このサービスも海外 銀行口座を開設することができますが、ビジネス向けになっています。
Wise との比較は「【比較】 Payoneer Vs Wise 最適な海外銀行口座サービス」をご覧ください。
まとめ
2021年3月に「銀行間手数料の見直し」がニュースになりました。10月から日本国内の銀行間での振り込み手数料のみが引き下げになりますが海外送金は対象外で価格は据え置きです。
依然と日本銀行での海外送金は手数料が高く着金するまでにおよそ 5〜7営業日ぐらいかかりますが Wise を利用すると手数料が早く、1 〜 3 営業日ほどと銀行より安く早く海外送金することができます。
海外にいる家族への送金は Wise を使うと無駄な手数料を払わずに済みます。
私は楽天銀行をメインバンクにしていますが、海外に送金する際にこの Wise を使用しています。主にベトナム銀行にVND での振り込みや仮想通貨取引所のバイナンスへ USDでの入金で利用しています。
プライベートやビジネスでも利用することができるので 実際に少金額でお試しいただくのがどういったサービスなのか分かりやすいと思います。
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