ベトナム・ホーチミンで子供が生まれたら?日本とベトナム 両政府への出生届をまとめてみた

ベトナムでの出生届

注意:最新の情報は必ず関係機関の Web サイト等でご確認ください

この記事では、2025年 1月に実際に行ったホーチミンで日本人とベトナム人の間に生まれた子どもの出生届の手続きをまとめたものです。
日本政府への提出とベトナム政府への提出に分けて記載しています。
その後の子供のパスポート申請~取得に関しては記載していません。


出生届について

出生届とは、生まれてきた子供の氏名等を戸籍に記載するための届出です。
日本とベトナムの両方に出生届を行うことで、子供は日本国籍とベトナム国籍の二重国籍を持つことができます。ただし、日本とベトナムは二重国籍を認めていないため、日本の国籍法に従い、22歳までにいずれかの国籍を選択しなければなりません。

※2025年1月時点では、ベトナムの法制度では国籍選択の制度はありません。

出生届とは、生まれてきた子供の氏名等を戸籍に記載するための届出です。
日本とベトナムの出生届を行うことで子供は日本国籍とベトナム国籍の二重国籍を持つことができます。
ただし、日本とベトナムは二重国籍を認めていないため、、日本の国籍法に合わせて 22歳までいずれかの国籍の選択しなければなりません。

※ 2025年 1月時点では、ベトナムの法制度では国籍選択の制度はありません。

日本政府への提出

子供が生まれた日から3ヶ月以内に在外公館 (大使館、領事館) に出生届を提出する必要があります。
先にベトナム側に出生届を提出すると出産証明書 (原本) が返却されないため、日本側への届出ができなくなります。そのため、必ず日本側への出生届の手続きを最初に完了させてください。

※ 厳密には 3ヶ月以内に受理される必要があるので、提出は早めに行うこと。

必要書類

必要な書類は在ベトナム日本国大使館の出生届ページに記載されています。
出生届 (PDF) は、在ベトナム日本国大使館外務省の Web サイト、または窓口で入手できます。

  • 日本人
    • 出生届:2通
    • 出生証明書 (出産病院発行) または、出生登録証明書 (人民委員会発行):原本提示、コピー 2通
    • 提出する上記の出生証明書の和訳文:2通
    • パスポート:原本提示
  • ベトナム人
    • パスポート:原本提示
      • 本人が一緒に来られない場合は原本とコピー 1部

2024年4月の必要書類変更により、出生届での戸籍謄本のコピーは不要となりました。

出生届について

見本は在ベトナム日本国大使館に掲載されていますが、必ずしも正しくない場合があり、在外公館の窓口で訂正することになる可能性があります。
正しい見本は在外公館の窓口で入手できます。以下が入手した見本になります。

※ 緑文字は追記した補足説明です。

「日本国籍を留保する」欄が国籍留保の届出になります。

ベトナムの住所について

記載するベトナムの住所はアルファベット表記が使えないため、日本語に正確に変換します。
例:ベトナム社会主義共和国 ホーチミン市 第3区 ヴォティサウ坊 ディエンビンフー通り 261番

出生証明書の和訳文について

出生証明書の和訳文は個人で作成しても問題ありません。
住所や名前は提出する出生届と同じ表記にする必要があります。
American International Hospital が発行した出生証明書を和訳する場合は、以下のようになります

手続き

提出~受理は当日で完了しますが、戸籍謄本に記載されるには数週間かかります。
記載が間違っていても、窓口で二重線を引いて修正し、提出することができます。

  1. 在ベトナム日本国大使館または在ホーチミン日本国総領事館に予約します。
  2. 必要書類を用意し、入館して手続きを行います。
    • 届出人は原則として日本人ですが、パートナーのベトナム人が行っても構いません。
      • 手続き時にパートナーのベトナム人が一緒でなくても構いませんが、その場合はベトナム人パートナーのパスポートの原本およびコピーが必要です。

ベトナム政府への提出

子供が生まれた日から2ヶ月以内にベトナム人民委員会に書類を提出しなければなりません。
提出する省庁/地方自治体によって必要書類や手続きが異なり、また記入不備を指摘される可能性があるため、早めに手続きを行ったほうがいいです。
日本人が調べて申請するのは困難なため、パートナーのベトナム人に協力してもらうのがスムーズです。

※ 2023年 6月からオンライン申請が可能とされていますが 2025年 1月時点ではベトナム人民委員会への書類提出が必須でした。

必要書類

提出する省庁/地方自治体によって必要な書類が異なりますので事前に確認が必要です。
一般的には以下の書類が必要となります。

  • 日本人
    • パスポート:原本提示、全ページのページコピー (翻訳 + 公証化)
      • 訳文
    • レジデンスカード:原本提示、全ページのページコピー
    • 本籍地または住所が記載されている身分証明書:原本提示、全ページのページコピー (公証化)
  • ベトナム人
    • 結婚証明書:原本提示、全ページのページコピー (公証化)
    • 出産証明書 [Giấy chứng sinh]:原本およびコピー 1通
    • 出生登録の申請書 [Tờ khai đăng ký khai sinh]:原本提示およびコピー 1通
    • 子供の国籍選択に関する合意書 [Agreement on child’s nationality]:原本提示およびコピー 1通
    • 出生証明書 (出産病院発行):原本提示およびコピー 1通
    • 出生登録証明書 (人民委員会発行):原本およびコピー 1通

また、各書類を PDF ファイルにしてオンラインでの提出が必要になります。

※ ベトナム政府に提出する各書類のフォーマットおよび和訳文は、ベトナム社会主義共和国における身分関係法制 調査研究報告書 – P.40 【補足資料様式】出産証明書に記載されています。

手続き

手続きは書類 (紙) と PDF を提出することになります。
国家公共サービスポータル (Web) で手続きができるはずですが、実際にはベトナム人民委員会に直接出向いて書類提出とオンライン出生登録を同時に行います。

ベトナム人民委員会での申請手続きは夫婦(日本人とベトナム人)で窓口に赴く必要があります。
書類の不備を指摘されることがあるため、PCを持参していくと便利です。

提出〜受理は当日で完了します、その後、書類の不備チェックがあり、問題なければ子供の出生証明書を受け取ることができます。

  1. 事前に日本人 書類のコピーの公証化を行います。
  2. 必要書類を用意し、ベトナム人民委員会で手続きを行います。
  3. 必要書類を渡し、窓口 担当者に書類を確認してもらいます。
  4. 国家公共サービスポータル (Web) にログインし、オンライン申請フォームで情報を記入します。
    • 記入時に PDF ファイルを添付します。
  5. 担当者がフォームの情報を確認し、PDF に電子印鑑をスタンプします。
  6. 申請手数料 160,000 VND を支払います
  7. 受取確認書を受け取ります。
  8. 申請結果はメールまたは携帯電話で通知されます。
  9. 申請したベトナム人民委員会で出生証明書を受け取ります。

パスポート、レジデンスカードの公証化について

提出するパスポート、レジデンスカードのコピーはベトナム語へ翻訳して公証化する必要があります。
翻訳依頼と公証の仕方については「ホーチミンで公証手続き」を参考にしてください。

本籍地または住所が記載されている身分証明書について

住所と顔写真が記載されている公的な身分証明書の提出が求められます。
この身分証明書のコピーもベトナム語へ翻訳して公証化する必要があります。
日本の運転免許証でも公的な身分証明書として使用できますが身分証明書の住所は結婚証明書に記載されている住所と同じであることが好ましいです。
結婚証明書は本籍地、身分証明書は住所だった場合、担当者に説明を行い、ベトナム語へ翻訳時にその旨を一筆する必要があります。

子供の国籍選択に関する合意書について

PDF は国家公共サービスポータルの PDF ページから入手できます。

子供の国籍選択に関する合意書とは、両者が書面による「子供の国籍に関する合意」で子供のベトナム国籍を選択することに同意する書類です。
ベトナム国民と外国人の間に生まれた新生児はベトナム国籍を取得することができますが、外国人の親は子供の国籍を記載した子供の国籍に関する合意書を提出する必要があります。

参考サイト