婚姻要件具備証明書から結婚証明書まで:ベトナム地方人民委員会司法局での婚姻登録全手順

ベトナムでの国際結婚手続き、いよいよ大詰めです!前回のステップでは、公立総合病院で健康診断書を取得しました。

このステップでは、これまで準備してきた書類(婚姻要件具備証明書、独身証明書、健康診断書など)を**ベトナム地方人民委員会司法局**に提出し、婚姻登録手続きを行います。そして、ついにベトナム当局発行の**婚姻登録証明書**を受け取ります。

重要な点として、申請手続きは**ベトナム人パートナーの本籍地(出生地)にある地方人民委員会司法局**で行う必要があります。また、婚姻登録証明書の受け取り時には、必ず当事者(日本人とベトナム人パートナー)が立ち会う必要があります。


ベトナム地方人民委員会司法局(DOLISA)とは?

「ベトナム地方人民委員会司法局」は、ベトナム語で「SỞ LAO ĐỘNG, THƯƠNG BINH VÀ XÃ HỘI TỈNH」と表記され、日本語では「労働・傷病兵・社会局」、英語では「Department of Labor – Invalids and Social Affairs (DOLISA)」と呼ばれます。

日本では市町村に一つの役所がありますが、ベトナムでは「認可された施設や局員」がいれば、様々な場所で設置されているようです。日本の市役所に例えると、より権限の強い機関だとイメージすると分かりやすいでしょう。

基本的には市役所と同じ行政機関であるため、**受付は平日の営業時間内のみ**となります。施設の正確な場所については、ベトナム人パートナーに確認してもらうのが確実です。ホーチミン市内には現在7箇所あります。

提出する書類リスト

ベトナム地方人民委員会司法局に提出する書類は、婚姻申請書(現地で記入)に加え、これまでのステップで作成した以下の書類の**ベトナム語公証済みのコピー**となります。

  • パスポートの公証済みコピー(ベトナム語翻訳)
  • レジデンスカード(またはビザ)の公証済みコピー(ベトナム語翻訳)
  • 婚姻要件具備証明書の公証済みコピー(ベトナム語翻訳)
  • 独身証明書の公証済みコピー(ベトナム語翻訳)
  • 公立総合病院の健康診断書(ベトナム語)
  • 証明写真(当事者双方)

特に注意が必要なのは、**「名前の表記形式」と「情報の一致」**です。これらが不正確だと、書類審査で不合格になる可能性があります。

名前の表記形式の重要性

ベトナム語の書類においては、名前の表記が**ベトナム形式**で記載されている必要があります。英語表記や日本式の氏名順では審査で弾かれる可能性が高いです。

  • OKなベトナム表記の例:
    • 名前:Yamada Taro
    • 生年月日:24/12/1999(日/月/年)
  • NGな英語&日本表記の例:
    • 名前:Taro Yamada
    • 生年月日:1999/12/24(年/月/日)

書類間の情報の一致

提出するすべての書類において、以下の情報が完全に一致している必要があります。一つでも不一致があると、書類審査で不合格となるため、提出前に念入りに確認しましょう。

  • 名前の形式(ベトナム語表記)
  • パスポート番号
  • レジデンスカードまたはビザの番号
  • 住所(ベトナム語表記および英語表記)
  • 生年月日(ベトナム語形式)

婚姻登録手続き:提出から受領まで

婚姻登録申請書の提出

事前に用意した全ての書類を持って、ベトナム地方人民委員会司法局へ向かいます。提出自体は日本人だけでも可能ですが、手続き中に予期せぬ情報確認や追加書類を求められる場合があるため、**当事者であるお二人で出頭することをおすすめします。**ベトナム人パートナーに手続きを任せた方が、よりスムーズに進むことが多いでしょう。

担当者によっては、パスポートのコピーを追加で要求されることもあるので、念のため予備のコピーも持参しておくと安心です。

書類を提出すると、引換券が渡され、指定された日時(約2週間後)に来るように指示されます。この待機期間中に書類に不備が見つかった場合は、担当者から申請書に記入した連絡先に電話が入ります。

婚姻登録証明書の受け取り

指定された日時に、再び司法局へ赴き、引換券を担当者に渡します。担当者による最終確認が完了すると、別室に案内され、ベトナム結婚証明書に記載されている双方の**名前、国籍、生年月日、本籍地、身分証明書番号(パスポート)**を最終確認します。

ここで情報に間違いがあった場合、証明書の再発行が必要となり、さらに1週間程度の待ち時間が発生する可能性があります。細心の注意を払って確認しましょう。

最後に、司法局で管理している名簿に署名を行うと、ベトナムでの結婚登録手続きのすべてが完了し、晴れて**ベトナム当局発行の婚姻登録証明書**が渡されます。

ベトナム当局発行の婚姻登録証明書の表面。赤色の表紙で、ベトナムの国章と「GIẤY CHỨNG NHẬN KẾT HÔN」(婚姻証明書)の文字が記されている
正式名称は「ベトナム当局発行の婚姻登録証明書」です。
ベトナム当局発行の婚姻登録証明書の裏面。ベトナム語で婚姻に関する詳細情報が記載されている。
ベトナム当局発行の婚姻登録証明書の裏面

まとめ:ベトナムでの婚姻登録完了!

これで、ベトナム人パートナーの戸籍には、お二人が夫婦であることが正式に記載されました。ベトナムでの婚姻手続きはここで一区切りとなります。おめでとうございます!

しかし、国際結婚の手続きはまだ終わりではありません。次は最後のステップとして、**日本側へ婚姻届を提出し、日本人の戸籍にも夫婦であることを証明する手続き**が必要です。

注意点として、ベトナム結婚証明書に記載されている婚姻日から3ヶ月以内に、日本の在外公館(大使館または総領事館)に婚姻届を提出する必要があります。期間を過ぎてしまうと追加書類が必要になる可能性があるので、早めに手続きを進めましょう。

ベトナムでの婚姻手続き シリーズ

  1. 【はじめに】ベトナムでの日本人×ベトナム人の婚姻手続きについて
  2. 【其の1】日本国総領事館で婚姻要件具備証明書&独身証明書を手に入れる
  3. 【其の2】ベトナム外務省領事局で証明書の認証化
  4. 【其の3】地方人民委員会各区事務所で証明書&パスポートをベトナム語への翻訳&公証化
  5. 【其の4】ベトナムの公立総合病院で健康診断書を入手
  6. **【其の5】ベトナム地方人民委員会司法局での婚姻登録手続き(今ココ)**
  7. 【其の6(完了)】日本大使館に婚姻届を提出
  8. 【後日談】ベトナムでのベトナム式の結婚式について

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