ベトナムでの国際結婚手続き:公立総合病院で健康診断書を取得する方法【ホーチミン編】
前回のステップでは、地方人民委員会各区事務所で書類のベトナム語翻訳と公証化を終えました。
今回のステップは、婚姻手続きに必須の「公立総合病院での健康診断書」の取得です。
特に、精神科の健康診断書を発行できる公立総合病院はホーチミン市内で限られており、以下の2カ所が挙げられます。
- Bệnh viện tâm thần TP. HCM(ホーチミン精神病院)
- Bệnh viện Chợ Rẫy(チョーライ病院)
どちらの病院も事前の予約はできません。そのため、時間に余裕を持って訪問し、手続きを進める必要があります。
Bệnh viện tâm thần TP. HCM(ホーチミン精神病院)情報
- Webサイト:http://bvtt-tphcm.org.vn
- 診察時間:07:30 ~ 11:30、13:30 ~ 15:30(月曜~金曜)
- 住所:766 Võ Văn Kiệt, Phường 1, Quận 5, Hồ Chí Minh
Bệnh viện Chợ Rẫy(チョーライ病院)情報
- Webサイト:http://choray.vn/
- 診察時間:不明(訪問前にご確認ください)
- 住所:201B Nguyễn Chí Thanh, Phường 12, Quận 5, Hồ Chí Minh
今回は、私が実際に健康診断書を作成したBệnh viện tâm thần TP. HCM(ホーチミン精神病院)での手続きについて詳しく説明します。
ホーチミン精神病院での健康診断書取得:同行者必須!
ホーチミン精神病院は、その名の通りローカルの病院であり、主にベトナム人向けの施設です。そのため、英語を話せるスタッフは非常に少なく、外国人の対応に慣れていないケースがほとんどです。
そのため、ベトナム人のパートナーの同行が必須です。ほとんどの手続きはパートナーにお願いすることになるでしょう。
病院へのアクセスと「健康診断」病棟の探し方
バイクで来院する場合、駐車場は正門の左側(奥)と右側(手前)の2カ所にあります。駐車料金は**4,000 VND**です。比較的空いているのは左側(奥)の駐車場です。
婚姻手続きに必要な「健康診断」を受ける病棟は、病院の敷地内ではなく、**正門から出て左側の独立した施設**にあります。もし敷地内に入ってしまった場合は、一度正門から出て左へ進んでください。下の地図の中央下、赤枠で囲まれた箇所が健康診断を行う病棟です。


その病棟に入ったら、正面の階段を上り、上がってすぐ左側の通路にある**118号室**が健康診断室です。部屋にいる職員に、結婚式のための健康診断書作成手続きを依頼しましょう。

健康診断申請書の作成と費用支払い
診断室で渡される申請書に必要事項を記入し、証明写真を添えて再度診断室の職員に提出します。


職員による書類確認が完了したら、1階の階段付近にある受付で会計を行います。費用は合計**550,000 VND**です。
- 通常診察料:1名 250,000 VND
- 書類作成費:50,000 VND
ここで特筆すべきは、**追加料金(特急料金)を支払うことで、診断完了から2時間後に健康診断書を受け取れるオプションがあること**です。通常を選択すると、受け取りは翌日の午後になります。急ぎの場合はこのオプションを検討しても良いでしょう。
会計を済ませ、領収書を診断室の職員に見せると、いよいよ精神診断が始まります。この精神診断は日本人の方のみが対象です。
精神科医による問診:日本人パートナーのみ
精神科医による問診では、いくつか質問をされます。質問は英語で行われますが、ベトナム人パートナーによる通訳が許可されているので、安心して対応できます。質問内容は例えば以下のようなものです。
- あなたの名前は?
- あなたの生年月日は?
- あなたの両親の名前を書いてください。
- あなたの両親の年齢を書いてください。
- あなたの両親は生存していますか?
- あなたはなぜベトナムにいますか?
- あなたはどこで働いていますか?
- あなたの会社での役職は何ですか?
- 脳に障害を持っていますか?
- 過去または現在、重い病気やアレルギーはありますか?
- 阿片や大麻を使用していますか?
- パートナーへの暴力はありますか?
これらの質問に回答すれば、精神診断は完了です。そして、健康診断書の発行に必要なすべての診断が終了となります。
このホーチミン精神病院特有かもしれませんが、結婚式用の健康診断は自己申告が中心です。身長、体重などの一般的な身体検査や血液検査、胸部X線検査は行われません。これらが必要な場合は、別の健康診断を受ける必要があるようです。
健康診断書の取得
指定された日時に、診察を受けた118号室へ向かいます。職員に日本人とベトナム人パートナー両名の身分証明書(コピーでも可)を提示すると、2名分の健康診断書が発行されます。

これで「健康診断書の作成」は無事に完了です。
健康診断書取得における注意点:名前と住所の表記
健康診断書に限らず、ベトナム語の書類では、氏名と住所の表記がベトナムの形式に合っているかどうかが非常に重要です。形式が異なっていた場合、ベトナム地方人民委員会司法局で受理されない可能性があるので注意しましょう。
名前の表記
名前の表記は、レジデンスカード(一時滞在許可証)などに記載されているベトナム形式(姓・ミドルネーム・名の順)に合わせてください。
例:山田 太郎 → Yamada Taro
住所の表記
住所の表記もベトナム形式にする必要があります。すでに翻訳済みの婚姻要件具備証明書に記載されている住所を参考にすると良いでしょう。英語表記の日本住所の場合、ローマ字表記にスペルミスや抜けがないか、特に注意して確認してください。
まとめ:次のステップへ!
今回のパートをクリアしたということは、「公証済みの婚姻要件具備証明書」も手元にあるはずです。これで、ベトナム人パートナーの出身地の地方人民委員会各区事務所で婚姻手続きを開始できる準備が整いました。
いよいよ婚姻登録手続き本番ですが、一つアドバイスがあります。地方人民委員会に行く前に、ベトナム人パートナーに再度、必要な申請書類をすべて確認してもらうことを強くお勧めします。なぜなら、担当する職員によって必要書類の指示が微妙に異なるケースがあるからです。完璧に準備しておくことで、時間と手間、そしてストレスを大幅に軽減できます。
普段、国際病院を利用されている方にとっては、ローカル病院の雰囲気に戸惑うこともあるかもしれませんね。私自身も久しぶりのベトナムカルチャーショックを受けましたが(笑)、これもベトナムでの結婚手続きの一部として受け入れるしかありません!